CGA文化サロン第3回 レポート

会員の皆様

 街も心もせわしない年の暮れと相成りました。お忙しい中多くの会員の皆様にご参加いただき、去る12月9日(土)に無事に今年3回目の文化サロンを開催いたしました。今回は二部構成となっており、中身の濃い内容になったと思います。
 一部は仏教をテーマとし、先ず久田律子氏による「東寺」ガイディングを、美しい映像とともに臨場感のあふれる中国語で発表していただきました。その後に特別講話として、永代寺の住職でもある天真和尚様から、仏教用語の説明や、日中での仏教や密教に関する考え方や感覚の違いなど、日本で修業をされている中国人僧侶ならではの興味深いお話を伺うことができました。
 二部は会員3名による発表を行いました。三宅美和子氏には「華道代表流派と活け方の特徴」で、ガイドとして知っておくと便利な流派と花の活け方の分類、西洋式アレンジメントと華道の違いなどについてを、大西美佳氏には「京都の水~琵琶湖疏水」で、“京都の生活を営々と支え続ける水”の大きな部分を占めている琵琶湖疏水が、もう一つの見方として非常に興味深い観光資源となることを、ご自身で取材をされた数々の写真とともに新たな視点として発表していただきました。藤原文夫氏には、今年一回目からの続きシリーズとして「現在中国事情あれこれ NO3」で、中国の現状を包み隠すことなく端的にまとめる形で、新たな情報を毎回発信していただいております。

 今年度のサロンは今回が最終回となります。今年はサロンの認知度も上がり、参加者数も大幅に増加し、闊達な意見交換も行われました。会員の皆様のご協力により、大変意義のある時間を共有できたのではないかと思っております。
 CGA文化サロンは、来年度に向けより皆さまのガイディング力向上の一助となりますように、一同力をつくす所存です。今後ともサロンをよろしくお願いいたします。
 今年度の皆様のご協力に、心より感謝申し上げます。
 どうぞ良いお年をお迎えください。

サロンスタッフ一同

2023年第2回CGA文化サロンレポート

 会員の皆さま

 「一场秋雨一场涼」・「暑さ寒さも彼岸まで」で、ようやく涼しさを感じられるようになりました。 
 去る9月24日(日)、今年度第2回目の「文化沙竜」を前回同様オンライン形式により開催いたしました。

 今回は、アンケートによる「東京方面ガイディング」の要望に対して、CGAアドバイザーの保田誠司氏が快くお引き受けくださり、「浅草を巡る旅」モデルガイディングの発表が実現いたしました。ベテランガイドの臨場感のあるリアルガイドは、会員の皆様にとって大いに参考になるものであったと思います。
 久田律子氏の発表は、奈良の魅力シリーズとして参加会員の楽しみの一つとなっておりますが、今回の「奈良夏季莲花路~药师寺和唐招提寺」では資料と合わせて非常に分かり易く、二つの有名な寺院の見どころを丁寧に紹介していただきました。
 和泉澤英子氏の「根津美術館~logoの美」では、日ごろあまり注視されることの少ないlogoについて、その中に込められている美術館の思いやこだわりを語っていただきました。少し視点を変えると違う魅力が見えてくるという、示唆に富んだ発表でした。
 藤原文夫氏には「現在の中国事情あれこれ NO2」で、前回に引き続きリアル中国の今を率直にお話しいただきました。藤原氏が中国在住である事情に鑑みて、発言内容を心配する会員の声もありましたが、現状を知りたい私たちの要求に十分に答えてくださいました。
 前回よりも参加者数が大幅に増えたこともあり、質疑応答も活発に行われ、盛況のうちに終了いたしました。

 第3回目の開催は11月を予定しております。詳細が決まりましたら会員メールにてお知らせいたします。皆さまのご参加を心よりお待ち申し上げます。
 サロンが皆さまのガイディング力向上の一助となることをスタッフ一同願っております。今後ともサロンをよろしくお願いいたします。

        サロン一同

令和5年第1回CGA文化サロン開催報告

 昨年から始まりました「文化沙竜」は、皆様のご協力のもと、今年度も第1回目を7月23日(日)に、昨年同様オンライン形式により開催いたしました。
 今回の発表は偶然にも「ディープな奈良」という趣でまとまり、日本人にもなかなか知られていないような、興味深い内容が盛りだくさんの回となりました。
 久田氏の「奈良墨」では、「古梅園」という老舗での墨の製造過程から墨つくり体験までを、和泉澤氏の「三月堂の屋根」では、観光客もあまり足を延ばさない三月堂内部の静謐さや、日本の屋根の形式と紫禁城との比較などを、小川氏の「法隆寺」では、誰もが知っていると思っていた場所が、こんなにも不思議とトリビアであふれていたことを、そして藤原氏には、日本にいては実感することが難しい現在の中国事情あれこれを忌憚なくお話しいただき、参加された皆様が新たなひらめきを得るきっかけになったのではないかと思います。
 澄川会長からは、各人がこのような専門的なコンテンツを積み重ねていくことが大切で、今後のガイドの厚みになるとのお言葉をいただき、水谷会長代行からは、「中国語ガイドの夜明けは近い、準備を怠りなく!」との激励がありました。

  第2回目の開催は9月を予定しております。詳細が決まりましたらお知らせいたしますので、ご興味・お時間のある方の参加をスタッフ一同お待ちしております。今後とも、皆様に楽しんでいただけるようなサロンの運営を目指してゆきますので、よろしくお願いいたします。

第4回「CGA文化沙竜」開催報告

2月18日、CGA文化沙竜の初年度最終回の活動として、会員向けの『京都老舗のエピソード』を聞くオンライン新春茶話会が開催されました。
当日、講師をつとめられた京都老舗研究会会長の林勇作先生が京都老舗の実例を豊富に挙げながら、老舗継続の三つの秘訣や、経営者はどうビジョンを示しているのか、お店はどう人財育成をしているのか、老舗たらしめる経営力とは、老舗の存在意義などを語ってくださいました。どれも胸が熱くなるエピソードで、林先生の書物にない物語も多くて、文字より言葉で伝える時の豊かな感動を改めて感じさせていただきました。
(これこそ、我々ガイドの存在意義と魅力ではないかと思いました!)
12名の会員にご参加いただき、ありがとうございます。
皆様の京都ガイディングのとっておきのネタの一つになれば幸いです。

今後とも、皆様により楽しんで参加していただけるような沙竜運営を目指していきますので、どうぞ、引き続きよろしくお願いします。

以上。

オンラインセミナー「脱サラ声優四方山話」を開催しました

去る2022年12月17日(土)、当会研修部は「脱サラ声優四方山話」と題するオンラインセミナーを開催し、声優の高瀬朝季さんに講義をしていただきました。
高瀬さんは、「新テニスの王子様」など外国でも大人気のアニメ作品にご出演の現役の声優さんで、ご自身の経験を交えて幅広いお話をしてくださいました。特に、外国語スキルを生かした声優活動、収録現場のエピソード、近年の中国におけるアニメ事情のご紹介など、我々にとって興味が尽きない話題を選んでくださいました。そのほか、時代とともに変遷する声優像や、通訳案内士と声優に共通する仕事の心構え等についても触れられました。しかも先生お手製のPPT資料が秀逸で美しく、簡潔かつ丁寧なお言葉の一つひとつが我々の理解を一層深めてくださいました。
本研修の申込期間が短く参加人数が少なかったのが心残りでしたが、高瀬先生の柔らかいお人柄のおかげで終始和やかな雰囲気の研修会となったと思います。当日は質疑応答が盛んに行われ、先生が実践的な発声方法を快くご披露くださったことも印象深いです。
終了後は先生を囲んでオンライン忘年会を行いました。今回の参加者は全員会員でした。先生が途中で退席されたあとも数時間にわたって続き、昨今の観光業やアジア事情について語り合いました。

第3回「CGA文化サロン」開催報告

 ご好評をいただいております、「CGA文化サロン」は、以下の内容にて、第3回目を開催いたしましたので、会員の皆様にご報告いたします。

開催日時:2022年11月27日(日) 15:00~17:00
開催方法:ZOOMによるオンライン方式
参加者数:9名(会員のみ)
会員テーマ発表:
 1)久田  様 「万步周游东大寺,读懂古都奈良」
 2)和泉澤 様 「根津美術館② 青銅器」
 3)阿部  様 「大宫与盆景(大宮と盆栽)」
 4)新井  様 「録音サービスの魅力」

 今回サロンに初めて参加された澄川会長より、「こんなに素晴らしい内容だとは知らなかった。開催のお知らせ等、告知方法を工夫して、より多くの方に参加してもらいたい」という貴重なご意見をいただきました。この他にも、参加者より、サロンに対する温かいコメントも頂いております。
 今後とも、皆様により楽しんで参加していただけるようなサロン運営を目指していきますので、よろしくお願いします。

 なお、次回の開催は2023年1月下旬、外部講師による特別講演を予定しております。詳細については、後日お知らせいたします。

以  上

第2回「CGA文化サロン」を開催しました

 9月19日(月)、皆様のご支援と協力のもと、第2回目「CGA文化サロン」を前回と同じくオンライン形式により開催いたしました。
 当日は、3連休最終日の午後という貴重な時間帯にも関わらず、当協会会員を含め14名が参加し、ゲストによるスペシャル発表及び会員による発表が行われました。いずれもガイド活動の参考となる非常に興味深く、質の高い内容であり、このサロンだからこそ得られる情報が溢れていました。そして、各発表の後には、質疑応答等を通じた意見交換の場を設け、ガイディングに役立つ情報を参加者同士で共有することもできました。
 近日、日本政府は、一日あたり入国者数の上限撤廃、個人旅行客の受入れ、短期滞在者に対するビザ免除などの水際対策緩和を発表することでしょう。
 したがって、中華圏から戻ってくる訪日者をお迎えするにあたり、準備の機会として、今回のサロンも非常に有意義なものとなりました。
 なお、次回は11月に開催を予定していますので、より多くの方のご参加をお待ちしております。

第1回「CGA文化サロン」を開催しました

 当協会では、7月30日(土)、今年度からの新たな取組として計画して参りました「CGA文化サロン」の第1回目をオンライン形式で開催いたしました。この活動は、『今こそ、磨きたい、日本の魅力の伝え方』をテーマに、会員同士の楽しい交流の場を創り出し、ガイディングにおけるアウトプット力をお互いに高め合うことを目的としたものです。
 当日は、週末の夕方からという時間帯にも関わらず、当協会会員15名が参加し、前半はサロンスタッフ及び実績のある先輩会員のガイディングに参考となる発表を聞き、興味深い内容については、活発な意見交換がなされました。後半は、「夏に涼を感じる風物詩」をテーマに、ガイディングに役立つ情報を参加者同士で共有し合いました。
 昨今、日本政府が海外からの団体観光客の受入れを再開しました。この時期に、第1回目のサロンを開催できたことは、今後、中華圏から多くの訪日者をお迎えするにあたっての準備、そしてガイド活動再開に向けた各自のモチベーションを高める機会として、非常に有意義な時間でありました。
 なお、サロンは年4回の活動を計画しており、次回は9月末の開催予定です。

オンラインセミナー「観光地で使う実践成語講座」を開催しました

 当協会では6月25日(土)、「観光地で使う実践成語講座」をオンライン形式で開催いたしました。当協会内外から凡そ30名が参加し、当協会理事、通訳案内士試験道場主宰の高田直志氏が講師を務め、通訳案内士の実務場面を11に分類し、写真を用い情景を示しながら、それぞれの場面で引用できる成語について説明されました。一方的な講義だけでなく、ときには日本語独特の表現について参加者が一緒になって考える場面もありました。
 政府が海外からの団体旅行客の受け入れを開始した直後となるこの時期にガイディングの場面で使用できる成語に接することができたことは、将来海外からの観光客の再来に備えて準備を進める上で有用な機会となりました。

【テーマ研修】「如何向内行外行介绍日本的(美术)博物馆」を開催しました(2021年11月13日)

 日本中国通訳案内士協会(CGA)は11月13日(土)、日中の文化交流に長年携わってきた唐啓山先生を講師に招き、「如何向内行外行介绍日本的(美术)博物馆」をテーマにオンライン研修を開催しました。近年、日本の浮世絵や草間彌生らアーティストの作品が若い人を中心に中国で知られ、人気を集めています。中国で見られない貴重な中国書道や絵の作品が日本で特別展示されると、一目見ようと中国からわざわざ来日する観光客も少なくありません。また、博物館や美術館をどのように紹介したらいいのかは、多くのガイドにとって難しい分野です。そのような中、当協会内外から26名の方が参加され、有意義な勉強の機会となりました。
 唐先生は北京大学で考古学を専攻し、1989年に来日後、名古屋大学で仏教美術史を専門分野としてご研究される一方、中国の作品を日本で展示したり、日本の作品を中国で広めたりと、長年多くの日中大規模イベントに携わっていらっしゃいます。そのご経験をもとに、日中両国の博物館の規模、歴史、管理機関、所蔵物の違いなどについて講義をしていただきました。先生は「日本の博物館、美術館、資料館、文庫などはどれも、中国における博物館の機能に相当する。中国においては、博物館と美術館はそれぞれが異なる役割を担っている」とPPTを用いて教えてくださいました。当日は中国語がメインでしたが、重要なところや専門用語は日本語での補充説明があり、中国語のリスニングに自信のない会員も安心して受講できる講義でした。
 また、唐先生はガイドの目線に立ち、お客様のニーズによって重点的にご案内すべき場所や内容が異なる点に着眼し、おすすめの博物館や美術館をいくつかご紹介くださいました。中国で見られない仏像などは特に人気があるので見てもらった方がいいとのアドバイスもあり、「日本の文物をインバウンドに紹介する時、その背景や知見をちゃんと説明した上で案内すると、より興味を持ってもらえるはず」と強調しました。
 先生は陶磁器にも触れ、来日当初は日本のわびさびの美を理解していなかったというご自身の体験をユーモアを交えて説明し、笑いを誘う場面もありました。日本と中国の美に対する意識の違いについて、日中のそれぞれの特徴がわかるような陶磁器の写真を比較しながら、日本では素朴な美を追求するが、中国では完璧さ、華やかさが好まれると述べられ、聴講していた我々は目から鱗の思いでした。
 今回の研修を終え、会員から「中国語を用いた研修会が少ないが、今日はリスニングの練習になったし、中国語で日本文化を紹介する言い回しを習うことができてよかった」、「特定の日本文化を研究し、その素晴らしさを中国人だけでなく日本人にも改めて伝えようとしている姿勢に敬服します」などのコメントがありました。
 コロナ禍が早く収束して、習った知識を生かす日が一日でも早く訪れることを願っています。