11月4日建築研修レポート

 当会研修グループは、去る11月4日午後2時、新宿区で「日中で活躍する建築家が語る!新国立競技場の魅力」と題する研修会を実施いたしました。一級建築士の三村大介先生を講師にお招きし、90分間の熱い講義に参加者は皆懸命に耳を傾けました。

 JFGの皆さまのご協力もあって英語ガイドさんも多数参加され、当会役員を含めると総勢30名が集まり、かつてない盛況ぶりにおかげさまで満席御礼となりました。

 今回の企画は和泉澤副会長の発案で始まりました。副会長が以前アイトラベルスクエア様主催の建築巡りツアーに参加した際、そのツアーの講師であった三村先生の博学且つ明解な語り口に魅了され、ぜひCGOでも講演していただきたいと考えて直談判致しましたところ、同社のご協力を得て無事に開催の運びとなりました。この度の我々のお願いに二つ返事で快諾してくださった三村先生とアイトラベルスクエアの岡様に対し、この場を借りまして改めて厚く御礼申し上げます。

 当日の講演内容は東京2020の新国立競技場を主軸として、報道でも話題となった設計案の突然の変更の経緯、新旧設計案の建築学上の特性、そして新設計案の生みの親である建築士隈研吾氏の生き様と国内外の作品群、建築部材を通じて設計者が表現する哲学や物語など多岐にわたりました。三村先生のオリジナルスライドと親しみやすいご説明は普段建築に関わっていない人にとってもわかりやすく、また時間を忘れるほどの濃い内容となりました。さらには当会のリクエストに応じて三村先生が特に盛り込んでくださった内容もあり、中国やアジアの有名建築、各国のオリパラ施設のご説明も聴くことができました。

 質疑応答の時間には各参加者から多くの手が挙がり、特に英語ガイドさんの積極的な向学心は当会会員にも大きな刺激になりました。手を挙げなかった方もアンケート記入に積極的にご協力くださいました。一例を挙げますと、日本のみならず中国の建築を見ることができた、新国立競技場は木製だと思っていたが実は木が装飾として多用されていると分かった、中国の建築ラッシュがGDP世界2位を牽引するエネルギーを表していると感じた、もっと建築巡りをしてみたくなった、などの感想が書かれていました。また参加動機としては、通訳ガイドとして資質を高めたい、来たるオリンピックに備えて知識を増やしたい、建築について知りたい、などのきっかけが多くあったほか、会場が遠かった、時間ぴったりに開始するべき、等の意見もありましたので、次回以降の参考にさせていただきます。

 終了解散後、任意希望の15名は自主研修として地下鉄で新国立競技場へ向かい、三村先生に習ったばかりの「建築のみどころ」を探して写真を撮りました。同行した澄川会長の下調べが大変参考になりました。多くの人が会長の詳しい説明を聴き、熱心にメモを取っていました。

 報道や図書では知り得ない貴重な知見を得る一日となり、タイムリーなテーマによって仲間との親交も弾みました、もしもこの研修が参加者の大きな糧となったとすれば幸いに存じます。

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